英検2級の長文で、こんな状態になっていませんか。
- 単語はだいたい分かるのに、文の意味がつながらない
- 一文を何度も行ったり来たりして、読み終わるころには最初を忘れている
- 時間が足りなくて、最後の大問が塗り絵になる
- 選択肢の英文の意味が取れず、なんとなく似ている単語で選んでしまう
長文が読めない原因は、単語を知らないからだと思われがちです。でも、実際に「読めなかった文」を1文ずつ分解してみると、 知らない単語はほとんど入っていないことが多いです。
分からないのは、その単語同士がどうつながっているのか——つまり文の構造です。
この記事では、英検2級の長文を「構造で読む」方法を書きます。単語を増やす話は出てきません。
1. なぜ「単語は分かるのに読めない」が起きるのか
たとえば、こんな一文です。英検2級レベルの、ごく普通の文です。
使われている単語は、すべて中学〜高校基礎レベルです。students, joined, program, said, living, abroad, changed, view, world。 難しい語は入っていません。
それでも読みにくいとしたら、原因は語彙ではありません。この文の骨組みが見えていないからです。
骨組みだけを抜き出すと、こうなります。
これだけです。「誰が」「どうした」は、students said の2語しかありません。残りはすべて、その2語に対する説明です。
- who joined the program last year → students の説明(どんな生徒か)
- that living abroad changed their view of the world → said の中身(何を言ったか)
この2つが見分けられれば、文はほどけます。逆にここが見えないと、単語を全部知っていても意味は取れません。
2. 英文の骨組みは、5つの部品でできている
英文は、たった5種類の部品の組み合わせでできています。
- S(主語) … 誰が・何が
- V(動詞) … どうする・どうである
- O(目的語) … 何を
- C(補語) … S や O の説明(S = C の関係になる)
- M(修飾語) … それ以外の追加情報(いつ・どこで・どのように)
大事なのは、最後の M(修飾語) です。
文の骨組みは S・V・O・C の4つだけで、M はいくら増えても骨組みではありません。
英文が長くなるのは、ほとんどの場合 M が増えているだけです。だから、M を括弧に入れて外してしまえば、長い文も短くなります。
さきほどの文で試します。M を括弧に入れると、こうなります。
括弧の中は「どんな生徒か」の説明なので、骨組みではありません。外すと、
長い文に出会ったら、まずこれをやります。単語の意味を考える前に、M を外して S と V を探す。
3. M を見つける目印は、決まっている
「M を外す」と言われても、どこが M なのか分からない——そう思ったかもしれません。 ただ、M の始まりには、たいてい目印があります。覚えるのは次の3種類だけです。
目印①:前置詞(in, on, at, for, with, from, to, of, by ...)
前置詞が出てきたら、そこから名詞のカタマリの終わりまでが M です。
前置詞のカタマリを2つとも外すと、たった4語になりました。
目印②:関係詞(who, which, that, where ...)
関係詞は「直前の名詞を説明します」という合図です。説明の終わりまでが M になります。
目印③:カンマ(,)
カンマは「ここで一区切り」の合図です。文頭のカンマまでは、たいてい M です。
この3つだけで、英検2級の長文に出てくる M のほとんどが処理できます。 前置詞・関係詞・カンマ。この3つを見たら、そこから M が始まる。
4. 実際にやってみる(36語の長文)
実際の長文に近い文で、通してやってみます。
36語です。一息では読めません。でも、目印を探すだけで分解できます。
-
カンマまでを M として外す
(Although many people believe that recycling solves the problem of plastic waste,)
Although で始まってカンマで終わるので、ここは丸ごと M。「多くの人は〜と信じているけれど」という前置きにすぎません。 -
残りから前置詞のカタマリを外す
researchers (at a university) (in Japan) found that ... -
骨組みが出る
researchers found that ...
(研究者たちが、〜ということを発見した)
36語の文の中心は、researchers found の2語でした。that 以下はすべて「何を発見したか」の中身です。
その that 以下も、同じ手順で分解できます。
つまり全体は、こうなります。
単語は難しくありません。難しかったのは、36語のどこが骨組みなのかでした。
5. 「返り読み」は、やめなくていい
長文の勉強法でよく言われるのが「返り読みをやめて、前から読め」です。
私はこれで遠回りをしました。構造が取れないうちに前から読もうとしても、意味は取れません。
順番は逆だと思っています。
- まず、返り読みしてでも正確に構造を取る(精読)
- 構造が取れるようになってから、同じ文を何度も音読する
- 音読を繰り返すと、返り読みしなくても意味が入るようになる
前から読めるようになるのは、構造把握が自動化された結果です。目標であって、手段ではありません。 だから、いま返り読みをしていても気にしなくていいと思います。まず正確に取る。速さは後からついてきます。
6. とはいえ、一人だと「合っているか」が分からない
ここまでの方法は、やること自体はシンプルです。M を外して、S と V を探す。それだけです。 でも、独学だとここで詰まります。
自分が取った構造が、合っているか分からないのです。
「たぶんこれが主語だろう」と思って読み進めて、意味が通らない。どこで間違えたのかも分からない。 答えを見ても「訳」しか載っていないので、自分の構造の取り方のどこが違ったのかが確認できない。
単語なら辞書で確認できます。文法問題なら解説がついています。でも、 「この長文のこの一文の、どこが主語でどこが修飾語か」を教えてくれる教材は、ほとんどありません。
文の構造が「見える」学習アプリを作りました
この記事で書いた「M を外して骨組みを見る」を、そのまま機能にしています。
- 英文が S・V・O・C・M で色分けされる
収録しているすべての読解英文にマークアップを付けています。この記事と同じ配色です(役割名も併記)。 - まず自分で訳してから、答え合わせができる
いきなり解説を見るのではなく、自分の読み方のどこがズレていたかが分かる順番にしています。 - その文に出てくる文法と、音読のこつが表示される
関係詞や分詞構文が出てきたら、その箇所の説明が出ます。
クレジットカードの登録は不要です。準2級・準2級プラス・2級のレベル別に収録しています。
おわりに
英検2級の長文が読めない原因は、多くの場合、単語力ではないように思います。
文のどこが骨組みで、どこが飾りなのかが見えていない——私自身も、生徒を見ていても、そう感じることが多いです。
私がやっているのは、3つです。
- 前置詞・関係詞・カンマを見たら、そこから M が始まると考える
- M を括弧に入れて外し、S と V を探す
- 構造が取れた文を、何度も音読する
単語帳を1冊増やすより、この3つのほうが効いたというのが私の実感です。 単語を増やしても読めるようにはなりませんでしたが、構造を取れるようになった時点で、急に読めるようになりました。
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