英検の筆記は、どの級も長文で時間を使います。最後まで解き切れずに終わる方が多くいます。 けれど、読むのが遅いから間に合わないのではなく、読む順番のせいで二度読みしているから間に合わない—— そういうケースがほとんどです。
- 最後の長文にたどり着く前に時間が切れる
- 1文ずつ丁寧に訳しているうちに、前の内容を忘れる
- 選択肢を2つまで絞って、そこから外す
- 本文に書いてある気がするのに、どこにあるか見つからない
英検の長文は、3級から2級まで、どの級も1段落に1問が割り当てられています。 この対応を使って「1問読む → 1段落読む → 解く」を繰り返すのが、長文の鉄則です。 級が上がると語数と語彙が難しくなるだけで、解く順番は変わりません。
1. 1問読む → 1段落読む → 解く。この繰り返し
長文の鉄則です。設問を全部先に読むのでも、本文を全部先に読むのでもありません。 1問ずつ、対応する段落だけを読んで解きます。
- 最初の問題を1つ、選択肢まで読む——何が聞かれているかを確認する
- 第1段落を読む——そこに答えがある
- 解答する
- 次の問題を1つ読む → 第2段落を読む → 解答する
1段落に1問が割り当てられています。 設問(1)の答えは第1段落、設問(2)は第2段落——この対応があるので、 段落を読み終えた時点で必ず答えが出ます。
2. なぜ「全部先に読む」ではいけないのか
設問を3つとも先に読むと、3つの問いを抱えたまま本文を読むことになります。 何を探しているか分散して、かえって読みにくくなります。
本文を全部先に読むのも同じです。読み終えてから設問を見ると、 「どこに書いてあったか」を探し直すことになり、二度読みが発生します。
1問ずつ区切れば、1段落を読む間は1つのことだけを探せばよい。 これが速く解ける理由です。
選択肢も一緒に読んでください。選択肢を見ると「何を探すか」がより具体的になります。 理由を選ぶのか、時期を選ぶのか、人物を選ぶのか——それが分かって段落に入れます。
3. 実際にやってみる(4段落・4問の長文)
手順だけでは分かりにくいので、実際の長文で追ってみます。 ここでは準2級レベルの長文を使いますが、やることは3級でも2級でも同じです。
まず、試験で配られるのと同じ形で全体を見てください。 この時点では、まだ読まなくて構いません。
1 They frightened the farmers. 2 They ate or damaged the crops.
3 They attacked the owls. 4 They dug holes in the roads. (2) What did some farmers do to bring owls to their fields?
1 They fed the owls every day. 2 They put up wooden boxes for the owls to live in.
3 They bought owls from a shop. 4 They planted special trees. (3) What is one advantage of using owls instead of chemicals?
1 Owls work faster than machines. 2 Owls do not leave anything dangerous in the food or ground.
3 Owls can be sold for money. 4 Owls keep the fields warm. (4) What are some farmers doing today?
1 Working together to put up many boxes across a region. 2 Returning to using chemicals.
3 Selling their farms. 4 Keeping the owls inside their houses. (1) ネズミが農場で問題を起こしたのはなぜか/(2) 一部の農家はフクロウを畑に呼ぶために何をしたか/(3) 薬品の代わりにフクロウを使う利点は何か/(4) 今、一部の農家は何をしているか
本文は4段落、設問も4問。 ここから「1問読む → 1段落読む → 解く」で解いていきます。
手順1 設問(1)を、選択肢まで読む
探すのは「ネズミが何をしたか」です。 選択肢を見ると、怖がらせた/作物を食べた/フクロウを襲った/道に穴を掘った—— この4つのどれかが本文にある、と分かった状態で読み始められます。
手順2 第1段落だけを読む
2文目に eat or damage crops が出ました。 ここで読むのを止めて、解答します。正解は 2 です。 第2段落以降は、まだ読みません。
手順3 設問(2)を読む → 第2段落を読む
2文目に答えがあります。put up wooden boxes——正解は 2 です。
手順4 同じことを、最後まで繰り返す
4問を解き終えたとき、結果として本文は全部読んでいます。 違うのは読む順番だけです。設問を挟みながら読むので、 一度読んだ段落を探し直すことがなくなります。
全部読むこと自体は、まったく悪くありません。むしろ読解力は読んだ量で伸びます。 間に合わないのは、読み終えてから「どこに書いてあったか」を探し直す二度読みが起きるからです。
ここで使った長文と設問は、アプリに収録しているオリジナル問題です。 実際の検定問題の転載ではありません。
4. Eメール問題は、書式から読む
準2級のEメール問題は、本文を読む前に分かることがあります。
ここを読み飛ばして本文に入る方が多いのですが、Subject は本文全体の要約です。 「学園祭について」と分かっていれば、そのつもりで読めます。
また、メールが2通・3通と続く問題では、誰が書いたメールかを取り違えると全問落とします。 From を必ず確認してください。
5. 選択肢は「言い換え」で作られている
本文と同じ単語が入っている選択肢は、正解ではないことが多いです。
出題側は、本文をそのままコピーした選択肢を正解にしません。 意味が同じで、言い方が違うものを探してください。 逆に、本文の単語がそのまま入っている選択肢は、内容がずらしてあることが多いです。
6. 消し方を決めておく
2つまで絞ってから外す、という方は、外す基準を持っていないことが多いです。
- 本文に書いていない——たとえ常識的に正しくても、本文に無ければ不正解
- 言い過ぎている——always / never / all / only が入っていたら疑う
- 一部だけ合っている——前半は本文どおりだが、後半が違う
特に3つ目が厄介です。選択肢は最後まで読んでください。 前半が合っているだけで選んでしまう間違いが、準2級では非常に多いです。
それでも読めないときは、文法が原因です
ここまでは解き方の話です。ただ、手順を変えても読めない場合は、文の構造が取れていません。
関係代名詞のかたまりを括弧に入れて外すと、The book was interesting. という骨組みが残ります。 この作業ができないと、どれだけ手順を守っても本文が読めません。
準2級の長文で落とすなら、まず文の骨組みを取る練習のほうが先です。 解き方のコツは、読める人が時間を短縮するための技術です。
長文を「構造で読む」練習ができるアプリを作りました
準2級・準2級プラス・2級のレベル別に、独自に作成した長文問題を収録しています。
- 英文が S・V・O・C・M で色分けされます
関係代名詞や不定詞のかたまりがどこからどこまでかが、色で見えます。 - 1文ずつ、自分の訳をAIが添削します
「なんとなく合っている」訳を見逃しません。言い回しが違っても、意味が取れていれば正解にします。 - 問題と解答をPDFで出せます
画面で解いたあと、紙で解き直せます。時間を計る練習にも使えます。
クレジットカードの登録は不要です。3級・準2級・準2級プラス・2級のレベル別に収録しています。
おわりに
準2級の長文で時間が足りないとき、速く読む練習をする方が多いのですが、 順番が逆だと思っています。
読む順番を変えるほうが先です。 1問読んで、対応する1段落を読んで、解く。この繰り返しにするだけで、 二度読みがなくなり、解き終わる時間はかなり変わります。
そのうえで、読んでも意味が取れない文が残るなら、そこは文法の問題です。 関係代名詞や不定詞のかたまりを外して、骨組みを見る練習に戻ってください。
※ 英検®は公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。本サービスは同協会とは一切関係ありません。 記事中の例文および収録している問題は、すべて独自に作成したオリジナル教材で、実際の検定問題の転載ではありません。